基礎技術からショーアップまで幅広く学ぶ
服飾文化、服飾造形・服飾工芸、生活科学、デザイン・ビジネスを総合したカリキュラムのもと、技術、感性、知識をバランス良く学びます。
服飾を科学とファッションの両面から捉え、服飾文化、服飾造形・服飾工芸、生活科学、デザイン・ビジネスの全分野に対する基礎学力を磨く。
服作りから繊維・布・洗剤などの分析実験、アパレル企画やコンピュータグラフィックスなど豊富な科目を用意。
衣生活関連の専門家として豊かな衣生活の創造と発展に寄与する専門家の育成を目指し、家庭科教員、衣料管理士、学芸員などの養成に力を入れる。
個々の体型にあわせた服作りを通し、
衣服製作の知識と技術を学びます
スカート・パンツ・ワンピースドレス・ジャケットの製作を通し、デザイン・採寸・パターン・補正・縫製などの衣服製作の一連の工程を学び、知識と技術を高めます。さらに製作を通し、学科で学んだ和服や刺しゅうなどの要素を加味してデザイン化、着心地の検討なども行い、衣服に対する総合的な理解を深めます。
グループごとの実験を通して被服材料の
性質について理解を深め問題解決能力を身につけます
被服材料である布には、耐久性、外観の美しさ、快適性、風合いなどのさまざまな性質があり、「被服材料学」の講義で学んだこれらの性質や構造に関わる基礎知識の理解を、実際に実験を行うことによって深めていきます。
授業では、JISに基づく各種試験方法を用いて、グループごとに、布の引張強さ、引裂強さ、剛軟性、防しわ性などの実験を行い、将来、実際に試験の実施と問題解決ができるような知識を身につけていきます。
販売員としてのマナーや
応対力を身につけます
販売は決して売るだけの行為ではなく、お客様を心からおもてなしし、商品と共に喜びを持ち帰っていただく仕事です。まずは、販売員としての基本マナーを学びます。そして、理想とする販売員像をテーマにディスカッション・発表・検証をし、プロ販売員としての役割を自ら考察します。さらに実技トレーニングやロールプレイを通して、お客様の心理を知ると共に、販売員の応対、コミュニケーション能力を習得していきます。
歴史の基礎的知識をもとに
西洋服飾史の概略を学びます
服飾の歴史を知ることは、ファッションに関わる創造のための豊かな発想源であり、服を作るための基礎的教養としてファッション・デザインには欠かせません。また服飾史の研究からは、さまざまな文化や時代のなかで、ファッションや流行がどのようにして生まれて、どんな役割を果たしたのかを学ぶことができます。
授業では、古代から20世紀半ばまでの各時代や地域の文化的特徴とファッションの関係を学んでいきます。
● 中学校教諭一種免許状(家庭)● 高等学校教諭一種免許状 (家庭)● 1級衣料管理士● 2級衣料管理士● 学芸員
● 色彩検定● カラーコーディネーター検定● パターンメーキング技術検定● ファッション販売能力検定● ファッションビジネス能力検定● 商品装飾展示技能検定(国家資格)● 繊維製品品質管理士(TES) 資格検定● フォーマルスペシャリスト検定● きもの文化検定
● 衣料管理士/学芸員● ファッションアドバイザー/
ショップディレクター● 家庭科教員
● アパレル企画● テキスタイルデザイナー/
和裁士 大学院専門学校
家庭科の専門学科がある高校で、家庭科教諭として服飾系の授業を担当。洋服や和服のつくり方まで教えています。また、高校3年生の担任も持っています。服飾美術学科では、色やデザイン、服飾造形、住居などとても広い範囲のことを学びました。そのすべてが今の仕事に生きています。授業の準備をする際に大学時代のプリントを読み返したり、先生の授業を思い出したり…もっと多くの専門科目を履修すれば良かったとすら思います。
強く印象に残っているのは、公立中学校でのボランティア活動です。教員を目指す上で3年次からできることを教職担当の先生に相談し、紹介されました。子どもたちとふれ合い、伝えたい思いを汲み取ることの大切さを学びました。余っている布を切って洋服に見立て、好きな柄を選んで貼り個々の好みを知るという授業ボランティアを特別支援学級で行ったことも良い思い出です。当時のゼミの先生には今でも、服の作り方や教え方を相談させてもらっていて、東京家政大学で受け継がれる「教えていく人を育てる」精神の奥深さを感じます
生徒たちがさまざまな活動のなかで見せる表情やリアクションから、少しずつ大人へと成長していることがわかり、幸せな仕事に就いていることを実感します。時代の変化と共に、家庭科でもパソコンの使い方を教えるなど、仕事の内容は次々と変化しています。常に先を見て、自ら新しいことを勉強したり、生徒の将来のことを考えたりして、より多くの子どもたちの成長に少しでも携わっていきたいです。
衣料品などを対象とした性能評価を行う第三者試験機関で、生地の寸法変化率の測定や、洗濯による外観や変退色などの変化の判定業務に従事。以前は、東京家政大学の被服整理学の助手を務め、授業補佐や学生指導のほかに研究活動もしていて、その経験を生かして転職できました。今は顧客であるアパレルメーカーなどの依頼を受けて素材を評価することで、安心・安全な製品づくりに寄与できることがやりがいにつながっています。
落ち着いた校風の中で勉強や制作に没頭した学生時代でした。当時、履修数の上限がなく、衣服の歴史や文化、デザイン、繊維の化学的性質など少しでも興味を持ったものはすべて履修。幅広い学びによって視野が大きく広がりました。4年間の集大成である卒業制作のドレス作りでは、研究室の仲間たちと取り組み、素材の違いにより制作手法やスキルを学び、何より忍耐力を得ることができました。履修したどの科目にも全力で取り組み、被服についてさまざまな角度から見る力がついたと思います。4年間の学びで後悔することは一つもありません。
東京家政大学は先生との距離が近く、わからないことがあれば研究室へ行き、先生の家政学や服飾分野での研究や結果、考察などを知ることができました。その経験が今の仕事に進むきっかけになったと思います。仕事では、時代の流れを読んで最先端の機器を取り入れたり、顧客の要望や消費者のニーズの変化に敏感であったりすることが大切です。チャレンジする姿勢で、専門的な知識や情報を常にアップデートしていきたいです。
メンズアパレルブランドの店舗で、服飾品を提案する接客の仕事をしています。大切なのは、お客様が安心して話せる雰囲気をつくり、何を求めているかを理解すること。特に今は、オンラインでも買い物ができる中、店舗に来てくださったお客様への付加価値を意識しています。ご要望に合わせてコーディネート提案をすることが多く、「勧めてもらったお洋服が好評なので、また選んでほしい」と再来店された時は特にうれしいです。
オープンキャンパスで見たファッションショーの動画にひかれて入学。和裁や洋裁、立体裁断といった技術的な授業や実習のほか、学園祭でファッションショーを行う服飾団体「EVE」での活動が印象深いです。仲間と協力して服を作る過程も楽しく、最終的に一つのショーとして完成し、感動を味わいました。服飾に関する基礎知識を身につけられたので、商品の売り出しポイントをスムーズに理解でき、お客様にわかりやすく伝えられています。また、授業や実験で学んだ生地の特性などは、購入後のケアのアドバイスにつながり、喜んでいただけます。
入社以来、現在の店舗で働いています。顔見知りのお客様も多くなり、私と話すことを楽しみにしてくださっている方も。来店したいと思える空間をスタッフ全員でつくり、お店のファンを増やしていきたいです。また、アートや音楽などサブカルチャーとのコラボや、未知のジャンルのアーティストさんとのつながりなど、商品を通じてさまざまな知識を吸収しつつ、興味のあることは自分で調べて、世界を広げていきたいです。
多様な造形表現を学び、豊かな想像力を培う
美術・工芸・映像・デザインなどの造形表現を幅広く学び、たくましい心と感性を持った人間形成に取り組みます。最初から専門を絞らず、学びの中から自分の方向性を定めて専門性を深めていきます。
1年次に多くの造形表現を体験し、自分の方向性を見つけます。2年次に専門科目への導入となる科目を学びます。
3年次からは専門科目を自由に選択し、自分に合った表現方法を身につけることによって、造形による表現の可能性を追求します。
緑豊かなキャンパスで造形活動を実践します。各専門分野に応じた充実した実習施設を用意しています。
造形表現学科では、学生一人ひとりの個性に応じた助言や支援を行い、主体的に行動できる自立した心と感性を育て、自分の造形表現力を社会に生かせる人材を育成しています。幅広い分野を学べるため、将来の可能性も多様に広がります。
美術表現の基本を
制作過程を通して学びます
何かをかたちに表現しようとするとき、多くの人が、発想、素材、表現方法の選定で迷います。この科目では造形表現の目的、自由に発想するための方法、何をどう表現し、どんな方法・材料を選んだらよいかなどを実際に制作を通して学びます。この授業で制作した作品は緑苑祭(学園祭)などで展示します。
アートでのつながりを体験し社会の中での
表現の役割を理解していきます
教室やアトリエから飛び出し、野外空間で主体的にアートを体験する、学生主体のアートプロジェクトです。来場者も参加でき、造形表現学科で養った創造力・表現力を自由に発信するイベントです。
工芸分野の素材や技法について学びます
工芸分野の基礎を学ぶ科目です。素材の加工を通して、造形活動における表現の展開方法と可能性を探ります。素材は金属、土、糸、布を軸として、表現方法は金工・ジュエリー、陶芸、織物、染色について、それぞれの専門教員が指導します。
ICTの特徴と可能性を理解し、デザイン基礎と表現法を学びます
急速に発展しているICT※は領域も幅広く、画像処理やインターフェイスデザイン、サウンドやビデオ、アニメーションなどにおよびます。そのなかでデザイン基礎、画像処理を中心に学び、ICT特有の表現方法を分析。素材・メディアなどの性質や構成を理解し、どのように作品制作に生かしていくかを考えます。 ※Information and Communication Technology
● 中学校教諭一種免許状(美術)● 高等学校教諭一種免許状(美術)● 学芸員
● カラーコーディネーター検定● インテリアコーディネーター● 福祉住環境コーディネーター● Webデザイナー検定● CGクリエイター検定● マルチメディア検定
● デザイン・ものづくり
グラフィックデザイナー、テキスタイルデザイナー、ジュエリーデザイナー、インテリアデザイナー、イラストレーター、映像作家、クラフト作家、Webデザイナー、システムエンジニア、ブログラマー、販促ツール作成など● 表現
アートプロジェクト、アーティスト、表現活動支援、編集者など● 教職
中学校教諭(美術)、高等学校教諭(美術)など● 表現と社会
商品企画、福祉住環境コーディネーター、学芸員、アドバイザーなど● 進学
大学院、専門学校など
オーダーメイド型ジュエリーショップの専属デザイナーをしています。お客様が求めるジュエリーのイメージや世界観をコンシェルジュと共に聞き取りをしながら、その場でデザイン画を描いていきます。お客様の頭の中にある抽象的で漠然としたジュエリーのイメージを、具体的なデザインに表現するのがポイント。描くときはパフォーマンス性を意識してお客様の気持ちを高めつつ、お待たせしないように手早く仕上げていきます。
授業で出合った金属工芸が今の仕事にも大きく影響しています。金属を加工して立体にして宝石を留めた途端、美しく輝き始めるジュエリーの神髄にふれられた気がしました。入社してからも、大学で習ったことの振り返りをよくしています。採掘した石から金属になるまでの流れや、土台となる指輪やペンダントに宝石を留める作業などです。ダイヤモンドでも石の大きさやカットの仕方によって、留め方ひとつで石の輝き方やアクセサリー全体の洗練さが変わってくるもの。実務にあたるようになり、改めて大学での充実した学びを実感しています。
描いたデザインが実際にジュエリーになるときは、緊張の瞬間。世界で一つだけのジュエリーづくりに携われることが大きなやりがいです。結婚指輪ならカップルのお二人にとって一生の記念になるものですし、価格も安いものではありません。大きな価値を動かしているのだと、身が引き締まる思いです。今はブライダルが主な担当ですが、より自由度の高いファッションジュエリーや、時計のデザインにも挑戦してみたいですね。
広告代理店の営業として、グローバル展開している外食チェーンのブランディング広告を担当。CM制作や店頭に設置するPOPの制作進行などを行っています。手がけたCMやPOPに対してSNSやリアルな声で良い反響があったり、広告した商品や取り組みの認知度が向上したりするとやりがいを感じます。また、顧客も含めたワンチームで制作を進められるようになったとき、営業としての役割を果たせているという手応えがあります。
幼い頃から工作や絵を描くことが好きで、4年間で幅広い専門領域を学べる造形表現学科に進学。大きな収穫だったのは多様な素材にふれられたこと。絵の具の種類から陶芸の土、釉薬、染色の染料、インテリアに使用する木材などを扱った経験や、どこで手に入るかといったことも含め、卒業後、特に1社目の広告制作の仕事で大きく役立ちました。CM制作時に小道具のイメージを顧客とすり合わせながら会話できたり、新たな素材のアイデアを提案できたりと、仕事の幅を広げられただけでなく、チームスタッフからの信頼にもつながったと思います。
大学時代はさまざまな課題制作と作品のプレゼンテーションに没頭。先生や仲間からプレゼンがいいね!と言われることが多くありました。良い作品をつくることも大切ですが、別のところに自分の強みを発見できることもあり、それがプレゼンでした。この気づきから、商品を世の中に売り出していく広告の仕事は自分にぴったりだと思ったのです。扱う広告の領域や人脈を広げながら、広告のプロフェッショナルを目指していきたいです。
公立中学校で全生徒に美術の授業を行うほか、特別支援学級の担任も受け持っています。授業ではできるかぎり制約をなくし、生徒の創作意欲を引き出すこと、誰の作品でも良さを認め、肯定的に捉えることを意識。大学で学んだ美術分野の知識が、授業を考えるアイデアの源になっています。生徒たちが、自由度の高さに驚きつつ、夢中になって手を動かす様子を見るのは楽しいもの。成長を間近に感じられる、やりがいの多い仕事です。
生徒の作品を認める姿勢は、ゼミの先生の影響です。先生は誰のどの陶芸作品でもいいところを見つけ出し、いつも褒めてくださいました。創作のすべてが正解で、人によって捉え方は自由だということを学びました。在学中は絵画だけでなく、染色や織物、金属工芸などさまざまな表現にふれ、刺激を受けましたが、特に子ども向けワークショップのボランティアが印象に残っています。常識を超えた迷いのない作品が生まれるたび、私もワクワク。そんな時間を通じて、子どもと接する仕事が向いていると思うようになり、教員になると決めました。
教育現場に入って最初の1年は、授業の組み立てにとても苦労しました。指導教員からは、生徒に任せるところと教員側で引き取るところのバランスや、声のかけ方などを教わり、少しずつコツをつかんでいきました。子どもたちの感覚や気持ちに共感しやすいのは若手の特権。中学生のうちは、道に迷ったり道を踏み外したりすることもあると思います。彼らの考えを真っ向から否定せず、生徒に寄り添える教員になりたいですね。